当時の私は、一人目の子供が生まれて慣れない育児にてんてこまいでした。
(遠い昔のことのような気がします笑。何もかも初めてで試行錯誤の毎日でした)
母とは離れて暮らしていて、乳児を連れて帰省するので精いっぱい。
実家は…それなりに秩序はあるけれど、もう少し整えてあげたほうが母も生活しやすいだろうなぁと感じていました。その頃は安東流お片付けもまだ知りませんでしたし、せいぜい子供をおんぶして台所掃除をするくらいしかできませんでした。
それからまもなくして母は病気で亡くなりました。家を引き払う必要があり、心の準備もないまま、実家の片付け…というよりほぼ処分…へと突入することになりました。
悲しみにひたる間もなく片付け
母がいなくなったことを実感する暇もなく、母の思い出の詰まった物と向き合うことになりました。
選択肢は2つ。処分するか、兄弟姉妹で分けてそれぞれの家に持ち帰るか。
色々な物をたくさん残しておきたい気持ちと、たくさん持ち帰っても保管する場所が…と悩む気持ちと、とても混乱しました。
いったいどういう基準で残せばいいのか、本当に大切な物は何なのか、よくわからなくなりました。
親の老いを実感
入れたり出したりしにくいタンス…中の物はほとんど使っていない様子でした。手の力も弱ってきて、使いにくかったんじゃないかなと感じました。
吊戸棚のような高い場所にあるものも同様でした。
掃除も、されていないというよりは、まだらにきれいになっている感じです。見えにくかったり、気力が続かなかったりだったのかなと思いました。
生前気づいてあげたかったですね。
親の想いを聞いておけばよかった
玄関の収納庫から、たくさんの靴が出てきました。きれいに保管されていました。
かなり若いころに履いたのでは?と思われるものも多かったです。
もう履かない靴もたくさんあったのでしょうが…
女性の大きいサイズの靴は、昔はあまり売られていませんでした。苦労して手に入れたので大切に保管していたのでしょうね。子供たちと一緒にでかけた思い出も詰まっていたのかもしれません。
いつ、どんな時に履いたのか、思い出話をゆっくり聞いておきたかったです。
他には、
大切な書類が収められている箱の中から…私が小学生の頃に母の日に贈った「肩たたき券」が出てきました。
これを見つけた時は、片付けの疲れもピークで、悲しみが爆発してオイオイ声をあげて泣きました。ほかのきょうだいは、あっけにとられた顔で見ていましたね…
もし、親の家を片付けていたら…
安東英子先生の著書「親の家の片付け 決定版」
写真も豊富で、片付け方がとてもわかりやすく詳しく書かれています。
初めて読んだときは、こんなふうに実家を片付けていたら、母ももっと生活しやすかっただろうに…何もしてあげられなかった…という後悔ばかりで泣けました。
その後、時間が経過し、母が亡くなったことをだいぶ冷静に受け止められるようになった今では、違う感じ方となりました。
母が病気になる前、まだ元気なころに実家の片づけをしていたら…きっと揉めたでしょうね…。親子喧嘩勃発…!
↑母は子供の頃に戦争を体験している世代です。新品をポンポン買うのではなく、物は擦り切れるまで、壊れるまで、使い倒していました…
病気になってからは気力体力が落ちてしまって、片付けについてこれなかったのではと思います。
今、自分が片付けの仕事をするようになって、実家の光景を思い浮かべると…こんなふうにあんなふうに、高齢者にも使いやすいように片付けてあげたかったなと思います。
母はどういう気持ちで受け止めたでしょうね。聞いてみたかったです。
私のように、親が亡くなって間もなく、混乱状態の中でひたすら処分するような実家の片付け方は後悔が残ります。
親が元気なうちに…親子で、実家の片づけ方について一度考える機会を作ってみていただきたいです!
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